ネコノミの唾液には、猫の血を吸う時に血が固まらないようにする成分が含まれています。ノミアレルギー性皮膚炎は、ネコノミに寄生された猫の血液をネコノミが吸う時に、まず注入するこの唾液にアレルギー反応を示す病気です。この病気になると、愛猫は体をひどく痒がり、首からお尻にかけて毛が抜け落ちたり、粟粒状の湿疹が見られたりします。
しかし、ネコノミにどれだけ寄生されてもこの病気に罹らない猫がいることも事実です。この病気は個体差があり、アレルギー体質の猫ならたった1、2匹のネコノミに寄生されただけで、あっという間にこの病気を患うこともあります。一度この病気になってしまうと、ネコノミが1匹寄生しているだけで痒みが収まることはありません。
ですからこの病気になってしまったら、まずは猫の体からネコノミを完全に駆除することが大切です。確実に効き目のあるフロントラインプラスのような薬剤を用いたり、ノミ取りシャンプーを使って愛猫の体を洗ってあげたりするといいでしょう。アレルギー症状は、ステロイド剤や抗アレルギー剤などを使って治療することになります。
また、愛猫にネコノミが寄生しているということは、その卵や幼虫、サナギなどが部屋中に潜んでいることが考えられます。部屋を清潔に保つことが必要ですが、特にカーペットや畳などは念入りに掃除機をかけるようにして下さい。部屋中にネコノミが繁殖してしまったら、蚤取り用のくん煙剤でまとめて退治するといいでしょう。しかし、くん煙剤は蚤の成虫にしか効果がありません。蚤の卵が孵化して、またネコノミの成虫が発生しますので、2週間に1度のペースで3回は炊きたいところです。
ネコノミは外に出る猫に限らず、飼い主が外からネコノミを持ちこんだことで、室内飼いの猫にも寄生されてしまうことがあります。この病気にならないようにするには、定期的な予防策を講じることが必要になってきます。かかりつけの獣医さんに相談してください。
ちなみに、ネコノミは人間のことも刺します。刺されると非常に痒いので気を付けてください。
主な症状:体を痒がる、脱毛、粟粒性皮膚炎など